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Aug 28 2009

「”若い記者は、何かを調べることになるとまずネット。専門家に会いに行くとか本を読むとかは二の次”」。そのデスクはネットを否定しているわけではなく、あまりにネットを重視し過ぎる傾向に危機感を持っている。情報収集のプロ中のプロである新聞記者ですらこの有様だ。

著者はまず、何でもネットの検索に頼る若者の姿勢を「ググればいいじゃん症候群」と呼んで戒める。30~40歳のビジネスマンが新人に雑談で何かを尋ねると「ググってくださいよ」と悪びれずに返す現実。何かを調べるよう指示すると、グーグルの検索結果ページと上位表示されたサイトのプリントアウトを持ってくるだけで仕事をした気になってしまう風潮。ビジネスマンには本来、情報を集め、取捨選択して情報を整理し、自らの考察を加えてまとめあげるスキルが求められるはずだ。

ネット全盛の今、誰でも同じように入手できるネットの情報に大きな価値はない。情報への嗅覚や情報に出会う勘を磨くことが不可欠。そして、外に出て「歩く」「人に会う」「考える」ことが重要だと、著者は自らの経験に基づいて訴える。「”街歩きこそ最大の情報収集法”」と言い、街のノイズからトレンドがかぎ分けられる、と力説。さらに「”ネット時代こそ新聞・本が強力な武器になる”」とも強調する。著者は新聞を読む際「”見出しの大きさ、記事スペースの広さ、掲載面や記事中の位置などをチェックして、それから記事に目を通す”」。そうすることで新聞社サイトでは決してわからないニュースの軽重が理解できるからだ。

インターネットが現代のように一般化していなかったころは、ネットにこそ他にはない価値ある情報があった。それが今では、誰でも入手できるネットの情報は当然となり、かつて当たり前だった新聞や本にこそ価値がある、といった逆転現象が起きている。高価な百科事典で調べ物をする人はさほど多くないが、誰でも書けるネットの無料百科事典には多数のアクセスがある。数年前の新聞記事は有料のデータベースでしか閲覧できないが、同じような事案で裏付け取材されていない一般のブログ投稿記事は検索で簡単に探し出せる。これも現実だ。

ググればいいじゃん症候群に情報収集のプロが物申す/『ネットじゃできない情報収集術』【書評】 | Web担当者Forum