Syoichi's Tumblr

Mar 06 2010

―― 不思議なのは40代で勝負をすると決めていて、そのギリギリのタイミングでボーダフォンの買収話が飛び込んでくる。孫さんを「強運」と言った人がいるけれど、本当にそうですね。

 買収しても、うまく立ち上げることができなければそれが地獄行きのキップになる。つまりこのキップを手にいれたところで、その後のやり方ひとつで地獄行きにも天国行きにもなったわけです。しかも、そのキップを手に入れるチャンスは、我々だけにあったわけではなくて、KDDIにも、NTTにも、イー・モバイルにもあった。あるいはパナソニックさんにもソニーさんにも買うチャンスはあったと思います。
 なのに、なぜ我々が買えたのか。それはモバイルインターネットに自分たちが駒を進めるべきだと思うかどうか。自分の会社のドメインとしてその分野を加えるべきかどうか、真剣に考えたかどうかの結果です。
 我々はボーダフォンジャパンを買収するはるか前、いまから6年前に、「モバイルインターネットをやろう。方法はわからない。自分でライセンスを取って新規参入するかもしれないし、買収により参入するかもしれない。しかし少なくとも事業ドメインとして必ずモバイルインターネットの世界、携帯事業を開始する」と宣言したわけです。そのために、新しい周波数の許認可を求めて、総務省を相手に訴訟まで起こしたほどです。大切なことは、我々が事業ドメインとして、このモバイルの分野を手に入れるという決意です。
 いまから10年、30年、50年、伸びていくであろう事業ドメインを見出してそこに集中的に舵を切る。これがたいへん重要なのです。
 池の鮒の子供で生まれるのか、鯉の子供で生まれるのか、鯨の子供で生まれるのか。所詮、鮒は鮒。どんなに小さな鯨でも確率的に鯨の大きさは巨大なメダカよりは大きい。その、何の子供で生まれるのか、ということが事業ドメインを決めるということです。つまり事業ドメインを決めることで、事業の姿の半分は決まってしまう。だから、事業ドメインを決めるということが経営者にとって最初に行う一番大切な経営判断だろうと思うんですね。
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